■ はたらく人なら知っておきたい労働法
大企業については、昨年からはじまっている制度です
中小企業については2020年の4月1日からはじまってます
人事部(総務)の人、管理職と言われる人も知ってほしい内容です
■ 有給休暇について
・年5日の年次有給休暇の取得が義務となります。
対象者は「年10日以上、有給がある方」です
すなわち、当てはまりそうなのは…
- 正社員、フルタイム契約社員
- 週4のパートで3年6ヶ月
- 週3のパートで5年6ヶ月
こんなところです。もうすこし詳しくみてみますと、
- 週30時間以上、6ヶ月はたらいている方(だいたい正社員)
- 週30時間未満で、週5日以上、年217日以上、6ヶ月はたらいている方
- 週30時間未満で、週4日以上、年169~216日、3年6ヶ月
- 週30時間未満で、週3日以上、年121~168日、5年6ヶ月
違反すると使用者は罰則がありますよ。
こちらも、立法が実務をわかっていないので問題はありますが有給の申し出があると、会社は断ることができません
一方、時期(タイミング)の指定は可能です。
話し合いによってきまることになりますので、おそらく有給の申し出は部署の上司にすることになるのでしょう
そうすると、職場の同僚にあの人、あの日休むんだという目で見られるプレッシャーはあると思います
もちろん個々の会社の問題なのですが、せっかく労働法を改正するのにあまり効果は期待できないと考えられます。
そもそも、労働者の立場が弱いためにこうした法律があるにもかかわらず
休みを義務付けてその交渉を現場の各労働者にゆだねるのは妥当ではありませんから。
余計なストレスをふやすだけでしょう
法律で義務だからという理由で、一方的に休みを申し出るのでは、関係性を悪化させるおそれがあります。
なので、よけいに周囲に気を遣うこととなり最大のストレスです
また、実際有給が消化できていない会社の現場に想いを馳せると、罰則を設けただけでは余計に使用者に対して感じが悪いです。
ほんとに気持ちよく休みがとれるかという問題もありますし
休日を設けるという策が妥当なのかも問題になり得るでしょう
国内の多くが中小サービス業であるため、単なる有給というのが果たして適切なのかは大いに疑問が残るところです
■ 残業時間について
・残業時間の上限が変わりました
具体的には、、
- 年間720時間がマックス
- 単月で100時間未満
- 2ヶ月で80時間以内、6ヶ月平均で80時間以内
- 45時間を超えていいのは、1年に6回まで
- 休日出勤の時間も含める
- そして、違反すると罰則があり、懲役もある。
なんといっても、一番のポイントは、罰則ができたことでしょう。
管理職の方は注意してください。
(管理職は労働法の「使用者」です。課長や部長、店舗であれば店長、支店長、所長といった方でしょうか。)
罰則を受けるのは、現実的には会社によって責任の所在が違うと思いますが
裁量があればにこういった責任者が使用者となりうるので責任が科されます。
この責任者を相手に責任追及が事実上可能だからです
時間については、職種によっては時間を基準とするのは難しいものがあります。立法上、いささか問題はありますが
やや複雑にみえるのは、時期によって月45時間では足りないということがあるから、これに対応しようと柔軟性をもたせようとした趣旨です。
つまりこれは、一応、繁忙期、閑散期を考慮したということです
今回の改正というのは、本来
月45時間、年間360時間を超えてはならないのですが、「労使協定」という届けをすれば、
この時間を超えても違反ではなかったため、実質意味のない規定となっていました。
そこで、上限を明確にし、罰則を設けました。
(なお、厚労省によると、おおむね月100時間労働を過労死ラインと示しています。詳しくはコチラ)
■ 一部の業種で適用猶予
・ 自動車運転業
ドライバーは、2024年に規制されます。
適用後の上限が少し長く、960時間となっています
・ 建設業
こちらも、2024年からです。
災害時の復興事業については、
2ヶ月で80時間以内、6ヶ月平均で80時間以内は無しです
(鹿児島県大尾・沖縄の砂糖製造業も2024年からのようです。)
制度をがわかっても非正規雇用ですと申し出にくかったり
勤めている会社が知らなかったとなればこの制度も意味がないですよね…。