別居期間は影響するのか?
有責配偶者からの離婚請求において、別居期間が相当の長期間に及んだものとされた事例
有責配偶者である夫からされた離婚請求において、
夫が別居後の妻子の生活費を負担し、誠意があると認められる財産関係の清算の提案をしている
このような事情があるときは、
約八年の別居期間であっても、
両当事者の年齢及び同居期間との対比において別居期間が相当の長期間に及んだと解すべきである
「財産関係の清算に誠意ある提案をしている事情のもとでは認められる」としてますね
そもそも、8年は短いんじゃないかという意識があります。
本事案としては、
もともと、何かと喧嘩の多かった夫婦なんですが、夫がいったん一人になりたいと出ていきます
夫は、別居の前から関係があった女と同棲。
間もなく、愛人とは別れたものの
妻や子らに自己の住所を明かさず、連絡も仕事上の事務所にさせているとのこと
この別居期間は8年弱で夫は、別居後も生活費を負担していたようです
まずは、ひっくりかえした事例なので、前の裁判をみてみると
「婚姻関係の破綻についての責任は、男性側にあり
妻は、婚姻関係の継続を希望している。
約8年の別居は、当事者の年齢、同居期間と対比して考えた場合、相当の長期間ということはできない」
こうした理由から、離婚の請求を棄却しているので
かえって、不貞行為をした夫の請求を認めることになるから、離婚は認められないとしています。
ポイントは時の経過がどんな影響を与えたか
「別居期間が相当の長期間に及んだかどうか?を判断するに当たっては
別居期間と夫婦の年齢、同居期間とをただ対比するのみでは足りず
時の経過が、これらの諸事情に与える影響も考慮すべきである」
としたこと
妻は、夫との婚姻関係の継続を希望しているとしながら、
別居から五年余を経たころに妻名義の不動産に処分禁止の仮処分を執行しています
これは離婚を考えた行為です
それから、子どもも成年に達していて、離婚については当事者の意思に任せると言ってます
8年の間にこういった事情があったので、こうした変化を考えると、離婚は認められるべきだと結論づけたんです。
時間の長さも大事ですが、それプラスどう変化したかという事実を拾う必要がありそうです