【LGBTQ】性同一性障害は手術しないと性別変更できないよという判例

性別の変更をする手続きはわりとめんどう

心の性別と体の性別が一致していないという方は割と多くいるのですが

この場合、必ずしも男、女と二分されるようなものではなく、違和感を覚えるとか、自分の体が嫌いといったような場合も含まれるのです。

そして、性同一性障害者は、婚姻届やら戸籍上の文書といった行政文書の記載で

自分の認める性別の記載をするためには、

性別取扱い変更の審判を受ける必要があります。

その場合、

性別変更の審判という裁判所の手続きが必要です

「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」によると、(3条1項4号の規定)


「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」

っていう、手続きするにはけっこう高い身体的なハードルが入ってるんですよね

性同一性障害者が、審判を受けたければ、
生殖腺除去手術を受けてくれ。

ということになっています。

今回は、この手術をしていない方が性別取扱い変更の審判を申し立てたのですが、却下されてしまい、この条件はおかしい!

ということで争っていました。

裁判を起こす方、(訴えてやるの方です)を「原告」と呼びます。

今回の判例は最高裁判例平成31年1月23日なんですが、

結論から言うと

この生殖腺手術を受けろという要件が肯定され、性別取扱い変更の審判の申立ては却下されてしまいました。

その理由を見てみましょう

性同一性障害者によっては,上記手術まで望まないのに当該審判を受けるた めやむなく上記手術を受けることもあり得るところであって,その意思に反して身体への侵襲を受けない自由を制約する面もあることは否定できない

もっとも,本件規定は,当該審判を受けた者について変更前の性別の生殖機能により子が生まれることがあれば,

親子関係等に関わる問題が生じ,社会に混乱を生じさせかねないことや,長きにわたって生物学的な性別に基づき男女の区別がされてきた中で急激 な形での変化を避ける等の配慮に基づくものと解される。

これらの配慮の必要性, 方法の相当性等は,性自認に従った性別の取扱いや家族制度の理解に関する社会的状況の変化等に応じて変わり得るものであり,このような規定の憲法適合性については不断の検討を要するものというべきであるが,

本件規定の目的,上記の制約の態様,現在の社会的状況等を総合的に較量すると, 本件規定は,現時点では,憲法 13条,14条1項に違反するものとはいえない。

はい。これは、ひどいですね。

法律の規定は憲法の認める範囲内で定められなければならないので、法律の規定が、憲法に違反しているかどうかがこの判例の結論の部分です。

本件規定というのはもちろん手術が必要というところですね

■ 意思に反して身 体への侵襲を受けない自由を制約する面もあることは否定できない

いや、個人の人権侵害認めてるんかい

社会に混乱を生じさせかねな

社会に混乱を生じさせるというのは、どこにどんな混乱が生じるんですかね。日常生活してて、自分以外の人の性別が変わって困ることってあります?

■ 長きにわたって生物学的な性別に基づき男女の区別がされてきた急激な形での変化を避ける等の配慮に基づく(手術条件がね)

あーこれは違います。マイノリティというのは声を上げられないだけです。

最近になって勇気を出して表舞台に出てくる人が出てきたり、SNSのおかげで発信するハードルが下がってきただけです。

昔からいます。最近になって、性同一性障害をはじめ、性別に悩む人が誕生したとでも思っているんですか?

変化を避けたいのは誰ですかね。体が男であれば心も男、女であれば女という先入観を持っていたくせに変わると混乱するというのは勝手な言い分です。

■ 性自認に従った性別の取扱いや家族制度の理解に関する社会的状況の変化等に応じて変わり得るもの

社会の状況が変わったら、この規定が憲法に違反しているという判決を出すとでもいいたいのでしょうか。

憲法というのは普遍的な価値観です。

現時点で、おかしいことが分かっている以上、ジャッジして然るべき。

いいですか、社会がどうかというのは「政策」の問題です。国家の統治機構で言えば、「行政」の仕事です。

現在の社会の動向に照らしてどのような運用をするかは行政です。

司法というのは、法律が憲法の理念に照らし、違憲か合憲かを判断すべきです。

もちろん、諸般の事情を考慮する際、世の中の動向を検討することもあるのですが、

あくまでも慣習や価値観が変わったときなどです。今回のような場面ではないです。

今回のような性自認と社会の問題は、多くの人たちが気づかぬ中で、

少数派の人権が侵害されていたという状態がこれまでずっと長く続いていただけです。これは慣習でも価値観でもありません。

人権保障を謳う司法であれば、人権侵害を認識している以上、

これを保護する判断をしなければなりません。

それがチェックアンドバランスです。

これはあきらかに行政(国会)への忖度です。

ま、裁判官も公務員なので、行政に不利な判決を出すと、地方にとばされたりするんですよ

分かるんですけど、

あまりにも性同一性障害はじめセクシャルマイノリティと言われる人たちの気持ちをわかっていないのです

(もろもろ考慮しても)

判断を引き延ばすということはつまり、一日でも自分の自覚する性別での扱いを受けない時間があるということは、立派な人権侵害です。

ほんとに大丈夫なんですかね、こんなで。

なお、裁判長裁判官 三浦 守 ・裁判官 鬼丸かおる・ 裁判官 山本庸幸・ 裁判官 菅野博之

ちなみに、鬼丸かおる裁判官は史上5人目の女性裁判官で、超女性差別の激しかった(今もですけど…)時代の裁判官です

わりと女性問題とかジェンダーに理解ある方と認識していました。(笑)

鬼丸裁判官の補足意見を見てみましょう

本件規定の目的については,法廷意見が述べるとおり,

性別の取扱いの変更の審 判を受けた者について変更前の性別の生殖機能により子が生まれることがあれば, 親子関係等に関わる問題が生じ,社会に混乱を生じさせかねないことや,長きにわ たって生物学的な性別に基づき男女の区別がされてきた中で急激な形での変化を避 ける等の配慮に基づくものと解される。

しかし,性同一性障害者は,前記のとおり,生物学的には性別が明らかであるに もかかわらず,心理的にはそれとは別の性別であるとの持続的な確信を持ち,自己 を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であるから,

性別の取扱いが変更された後に変更前の性別の生殖機能により懐妊・出産という事態が生ずることは,それ自体極めてまれなことと考えられ,それにより生ずる混乱 といっても相当程度限られたものということができる。

心の性別に合わせようとする意思を持っているのだから、当初の性別の状態で出産という状態になることはめったにないだろうということですが

言いたい事はわかります。

ただし、これこそ多数派の考えであり凝り固まった古い感性です。

これまで心と体の性の不一致は隠されてきたんです。

多くの人は性別の違和感を覚えながら、持って生まれた体の性に従って、むしろ自分に言い聞かせるように生きてきたんです。

ほんとにめったにないことですか?

きわめてまれだとどうしていえるのですか?

極めてまれな状況すなわち、性別一致が当たり前という雰囲気をつくりだしていたのはわたしたちなんですよ

どれだけの心の悩みや葛藤があったか、わかりますか?

特例法の施行から14年余を経て,これまで7000人を超える者が性別の取扱いの変更を認められ

と、裁判官本人も認めていますが

ここ15年ほどで、7000人も性別変更の審判を受け認められているのです。

心の性別を押し隠し

周囲に合わせるようにして交際していないと、

すでに結婚・出産した方がほんとにまれだと、

ほんとに言い切れるのでしょうか?

最後ですが、

本件規定に関する問題を含め,性同一性障害者を取り 巻く様々な問題について,更に広く理解が深まるとともに,一人ひとりの人格と個 性の尊重という観点から各所において適切な対応がされることを望む

人任せにしないでよ!!って感じですね(笑)

行政任せということで、、、

ちゃんと違憲判決出してほしいものですが

やはりわたしたちが動かないと社会は変わりません

カテゴリー: Case