公正な論評の法理とは?【判例解説】

今回のテーマについては、公人に対する批判であったりすると、表現の自由だと主張する方がTwitterなどでは散見されるので、あまり勘違いしてほしくないところであります。

公正な論評の法理事件の事案とは

公正論評の法理を示した事件の事案で、

公立小学校の通知表について、悪態をついたビラを配布されたため、公立小学校教師が損賠請求したというもの。

以下のようになっています。

・通知表の様式や評価の記載方法に教師間で争いがあり、まとまらなかったため、通知表が児童に交付されなかった

・こうした通知表をめぐる混乱から、父母などが批判するビラ約5000枚を手渡したり、投函したり、繁華街で配布したりした

・教師としての能力じたいを疑われる、お粗末教育などと記載

・学校、担任、年齢、氏名、住所、電話番号などが記載

公立小学校の教師が相手であること

それから、論評の内容が批判的で、わたしたちの感覚からすると過激かなーと思われる点がポイントです。

公務員の行動に対しての論評とは

まず、前提ですが
「公共の利害に関しての論評は、表現の自由として尊重される」
としています。

そして、判例によれば、

「公務員の行動に対する批判や論評は、
公務員の社会的評価が低下することがあっても、人身攻撃など論評の域をでない限り、
名誉を侵害する不法行為とはならない。」

と、対象が公務員であれば、やや緩くなります。

表現の自由を尊重する態度で、過激な表現も許されるようです。

もっとも、論評の域をでないというのがかなり曖昧ではありますね。

公立小ビラ配布行為は名誉侵害か?

本件では以下のような評価でした。

・市内の教育関係者のみならず、一般市民の間でも大きな関心事であった

・ビラの末尾に氏名・住所・電話番号が記載されていたが、社会的評価に直接関係しない

ドライな評価ですが、争点が名誉の侵害なので、仕方ないです。

もっとも、この先が重要です。

個人情報はいやがらせとか二次的な被害は予想できます。

このような個人情報を載せたりする嫌がらせ行為については別途、過失があり、私生活の平穏や人格的利益を侵害されたとして不法行為を認めました。

「公務員の社会的評価が低下するとしても専ら公益を図る目的で、主要な点が真実との立証があり人身攻撃に及ぶものでない限り、ビラ配布行為は、違法性を欠く」

これは、個人情報保護とは関係無いですが、重要な権利として、保護しています。

たしかに、公人であれば緩くはなりますが、なんでもが許されるわけではありません。

というわけで、今回は以上です。ありがとうございました。