2020年上半期に読んだ面白い本

おうち時間もあってか本が読めたんでまとめなどを。

法・政治関連が多いんですがそれ以外もちょくちょく読んだり。

悪について誰もが知るべき10の事実

ベストセラー「脳はなぜ都合よく記憶するのか」で有名なロンドン大学の心理学者で、犯罪研究に熱心な方の著書。刑事施設や軍隊警察などでも研修したりのエキスパートです

「性的嗜好と性犯罪は別物だよー」とか「小児性愛は誤解されているよー」とか「殺人犯は異常者ではない」とか

とにかく感情論で片付けられてしまう犯罪に対して、科学的にアプローチしてくれます

「そもそも人間は殺人が好きだ!人類の半分以上は殺人願望がある」とか、

「男性の28%女性の11%が無生物(靴、革・レース)に興奮する!」とか

なかなか興味深いデータを引っ張ってきてくれております

現代法の動態6巻 法と科学の交錯

岩波書店のシリーズ最終巻で、科学(統計)論理学、経済学と法律の実務における重なりを考察してくれています

個人的には、「法と文学」のところが面白かったです。

法と文学ってのは、

「文学作品の中にでてくる法に関する記述を読み解く」っていう意味と

「クライアントの言葉を聞き、解釈し、法的に翻訳し、記述するのあるという」意味があります。

「法の読解とは、科学や知識ではなく、言語や精神のはたらきである!」

「法は科学ではない!アートだ!」

といった主張が好きです。

このシリーズは、学際的なアプローチを目的にしていて、誘導尋問について出廷経験のある科学者が寄稿してくれてまして、

法律になじみのある各分野の第一線で活躍する研究者が終結している法律のオールスター感謝祭みたいな感じです(笑)

この巻の代表の亀本洋先生は「法理学」の権威で(ニュアンス難しいんですがまあ法哲学がメイン)なんですが、おそろしく文章がわかりやすく安心して読めます。

科学裁判といえば「ルンバール事件」なんですが、もやっとしてるところを数字で解き明かそうとしてくれています。

他にも統計学の基礎や疫学的因果関係の考え方、法律学における論理と数学的モデルとの対比、法と経済の紹介(スティーブンシャベルとかロナルドコースとか)、盛沢山で読み応え抜群です。

1億人のための統計解析

超ベストセラーとなった「統計学は最強の学問である」の西内啓先生の本です

これは、法律関連ではないんですが、とても役に立ったので紹介

統計学って研究じゃなくて実際のデータ分析に当てはめるのってけっこう難しいじゃないですか

しかも、有料の統計ソフトが必要かな?でも会社で買ってくれないしなんて思ってたんですがエクセルでできるんですよ

そんなエクセルでのデータ分析の方法をめちゃくちゃわかりやすく書いてくれてます。

入門者は各論から入れ派のわたしからすると、データ分析のやり方を通して、統計学の基礎を教えてくれるんで統計学を学びたいと思う人にもいいんじゃないかと思います。

統計学が最強の学問であるのシリーズ(ビジネス編実践編数学編)は全部持ってるんですが、どれも秀逸なので、西内先生の本は選んでおいて間違いないと思ってます。(笑)

多数決を疑う 社会的選択理論とは何か

選挙制度について、経済学のモデルを使って合理的な意思決定ができるのか?っていうのをとてもわかりやすく説明してくれています。

選挙制度ってのは近代の頃からコンドルセっていう大数学者とかががんばって解明しようとしてくれてるんですが結局、最適な制度設計ができないまま放置されてしまってるわけです。

そんな選挙制度の欠陥とほころびを指摘してくれます

「多数決は多数決であって、民意の反映ではない!」っていうとこは痛快ですね

「依存症ビジネス」のつくられかた 僕らはそれに抵抗できない

著者は行動経済学の先生でマーケティングの専門家。

テクノロジーを生み出し、利用する企業が大衆に対して大量消費を意図的に狙ってプロダクトを開発してるのだ!

だれもが依存症になるかのようにデザインされているんだ!って話がおもしろかったです

日系のオールドな企業からすると広告やマーケティングに心理学の要素を入れていないんで、ホンマかいなってなるんですが(笑)

これは帯がですね、法学教授兼作家のダニエル・ピンク、「1万時間の法則」のマルコムグラッドウェル、「originals」のアダムグラント、ハフィントンポストのアリアナ・ハフィントンと本好きにはたまらない、そうそうたるメンツの名前が……

ダニエルピンク先生は「モチベーション3.0」の方が有名かもですが私は読んでなくて、「フリーエージェント社会の到来」「when 完璧なタイミングを科学する」は持ってます

まんまと広告戦略にのせられたわけですが(笑)

依存症のメカニズムを生理学的な視点から説明してくれるとともに、いかにして企業の開発するプロダクトに応用されているか?ってとこまで教えてくれる一冊です。

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