【欠乏の心理学】いつも時間がないあなたに【書評】

「いつも時間がないあなたに」という本を読みました。

これは貧困に関する、心理学と経済学のふたつのアプローチを一般書として優しく書き下ろしています。

弁護士の方(や志す人)にはぜひご一読して頂きたい本でした。

オススメする人

・時間が足りないと嘆く人

・お金が足りなくて生活に苦しむ人

・世の中の貧困問題に知りたい人

私たちはなぜいつも時間が無いのか?

・厳しい締め切りに追われること

・締め切り直前にとんでもない集中力を発揮すること

・ローンやカードの支払いがいつまで経っても減らないこと

こうした現象は私たち誰もが痛いほど体験していますがなぜでしょうか

これは、私たちが「時間で成果を上げる」のではなく、自身の能力、「脳の処理能力で成果をあげている」からです。

そして、欠乏感が心を支配するとき、頭の賢さに関係無く誰もが処理能力不足を引き起こすというのです。

欠乏は、土壇場のパニックのような例外的に役立つこともあるが、多くは私たちの合理的な判断を歪めたり、記憶をジャマしたりして悪影響を及ぼすようです。

脳の処理能力が阻害されるとどうなるか?

頭の処理能力に過剰な負荷がかかると、「忘れる傾向が強くなる」ようです。

(陳述記憶はそれほどだが展望的記憶は特に顕著らしい)

多くの時間貧困や経済貧困者は、薬を飲むことを忘れます。それがとても大事だと分かっていてもです。

また、仕事の生産性が低下します。

心配ごとに気を取られると作業記憶が失われ、労働に対する賃金を最も必要とする貧困者が、生産性を上げられないという悲劇が起こるのです。

週に60時間以上勤務して行うタスクは、同じ人数が週40時間勤務して達成した日より遅くなる

と明らかにされており、

私たちは、自分の時間の予定を組んでスケジュール管理しているつもりですが、実は脳のはたらきによって思わぬ落とし穴に落ちることになるので

もっと、自分の脳の処理能力の予定を組んで管理しなければならないのです。

さいごに

自分の変動する認知能力については呆れるほど配慮していないのだと言われたようです。

この本を読めば、知力の一日のリズム、いつ休みいつ力を入れいつ蓄えを作っておくべきかをきちんと判断できるようになるはずです。

欠乏というものは、新たな欠乏を生みます。

やるべき仕事は次から次へとあなたに押し寄せてくるでしょうし、そうしてどんどん抜け出せなくなるのです
貧困者というのはまさにこれです。

この本では欠乏の心理を解き明かし、その解決策として処理能力の負荷を軽減すべきと提案してくれており、

あなたがいまハマっている欠乏の罠から抜け出すヒントがあるかもしれません。

プリンストン大学の心理学者とハーバートの経済学者によるお金の欠乏時間の欠乏に対する解決策を提案する本です

著者である二人は、世界の貧困問題の解決を目指すNPOの共同創設者でいまも貧困と戦っています。

というわけで、お読みいただきありがとうございました。