株主総会決議の取消しを請求する訴えの適否【会社法判例解説】

ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えの適否についての判例です。(最判平28.3.4

本判決の結論

「ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えは不適法である」

株主総会で、取締役から解任する旨の議案を否決されたため、
その株主総会決議について、その取消しを請求する事案です。(会社法831条1項1号に基づく)

解任否決決議の取消しを請求が適法であるか?

この争点について、否決された決議を取消す旨の訴えは不適法とされました。

これは早い話、否決決議を取り消す訴訟は、認める必要が無い、というもの

そもそも、なぜ決議を取消すことができるのかというと、

株主総会決議で新たに法律関係が生じる場合、第三者にも影響が生じるため、期限を決めて取消しを認める制度だからというものです。

新たに法律関係が生じているわけではないため、そもそも訴える土俵にのらないということになります。

取消の訴えは、主義・主張を通すためのものでないことを改めて確認しています。

決議取消請求が不適法となる理由

端的にいうと、取消す必要が無いからですが、それはどうしてでしょうか。

一般には、「ある議案を否決する株主総会の決議によって、新たな法律関係が生ずることはない」とされます。

また、決議を取り消すことによっても、新たな法律関係が生じることもありません。

法律関係が新たに発生するのであれば、裁判所が介入する必要があります。

会社法で、828条以下に組織に関する諸規定を置いている理由は、「法律関係の安定を図る」ためです。
以下のような規定ですね。

瑕疵のある株主総会等の決議について

・その決議の日から3箇月以内に限って、訴えによる取消し請求を規定し、法律関係の早期安定を図っている(同法831条)

・当該訴えにおける「被告」、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、判決の効力等も規定している(同法834条から839条まで)。

判例もこれを論拠にあげています。
ということで、今回は以上です。ありがとうございました。

カテゴリー: Case