宴のあと事件【判例解説】

「宴のあと」事件は、プライバシーに関する判例で、昭和39年(1964年)のものです。
プライバシーは、新しい人権と言われるものですが、けっこう古く感じます

「宴のあと」は、三島由紀夫という小説家の作品です

「宴のあと」事件の事案

過去に外務大臣を務めたものを主人公とした政治と恋愛の創作ストーリーでした。
妻の同意を得ていたが本人の同意を得ずして、生々しい私生活を描写したもので
これに、不快感を覚えたことから損害賠償及び謝罪広告を求め訴えを提起しました。

プライバシーは法的保護を受ける権利か?

プライバシーをみだりに公開されないことの保障は、
情報社会においては個人の尊厳を保ち幸福を追求を保障する上で必要不可欠な事である
そのため、法的救済が与えられる人格的な利益として保護されるべき権利であるとしています。

プライバシーを侵害する要件とは?

公開された内容について、以下の事実が必要であるとしています。

1. 私生活の事実または事実らしく受け取られるおそれ

2. 一般人の感受性を基準として、私人の立場に立った場合、公開を欲しないであろうと認められる

3. 一般の人々にまだ知られていない

本件では、プライバシー侵害を認めました。
ご存知のとおり、比較衡量がでてくるのは互いに高い価値を有する権利が衝突したときであります。

表現の自由と名誉権衝突、刑法230条の2は妥当するか?

もっとも、違法性を阻却する事実があれば、プライバシー侵害が認められても不法行為は成立しません。

小説や映画のような芸術作品というだけでは、違法性を阻却することにはなりません。

表現の自由とプライバシーはどちらが優越するものではありません。

公共の利害に直接関係のあることなど考慮して、合理的な範囲内での表現が許容されるにとどまります。

本件の場合、公的経歴を考慮してもなお、受忍すべき限度を超えているため合理的な範囲とはいえず、違法なプライバシー侵害であったとされました。

表現の自由に関する法的な話については、弁護士の人たちでも間違えていますが、とくに法律に明るいわけではない多くの人にとっては議論がかみ合わないため注意が必要です。

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