【宅建】借地権の対抗要件とは?わかりやすく解説

借地権の対抗要件とは?

借地権とは、賃借権のひとつで、「土地の上に建物を建てる権利」です。

※正確には、土地賃借権のうち借地借家法が適用されるケースについてを指します

対抗要件とは、契約当事者以外のひとに効力が生じるための条件です。

借地権者が借地上に登記された建物を所有するときは、「借地権を第三者に対抗できる」とされ

借地借家法第10条1項に規定があります。

(借地権の対抗力)
第10条 ①借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。

借地権を第三者に対抗できるという意味は、

住んでいる人が居住をつづけることができるという意味です。

なぜ規定されているか?

なぜ、このような借地権の対抗力を認める規定があるのでしょうか

借地権というのは、

他人の土地を使って建物を建てるということです

本来、他人の土地を使用する場合必要になる権利には、2つの権利があります。

・ 地上権

・ 賃借権

「地上権」という物権と「賃借権」という債権です。※賃借権という概念のうち、土地の賃借権です。

借地権という実体的な権利ではなく、正確にはこの2つを指します

・ 地上権を設定し、土地上を利用するか

・ 土地を借りて、建物を建てることになります

とくに登記では、地上権か賃借権が「登記原因」となるのです

そのため、登記で、借地権があるかどうかは

地上権、賃借権が打たれているか、

土地所有者と異なるひとが所有する建物の表題登記があるかによって見わけることになります。

第三者への対抗

地上権も賃借権も登記をしなければ第三者に対抗できません。

賃借権は、債権であるため、そもそも第三者に対抗できません。

地上権は登記請求権が認められているのですが、自分が不利になるため、わざわざ地上権を設定する土地所有者はいないのです。

そのため一般的な取引では、賃借権を使いますが、賃借権では登記義務が発生しないため、事実上対抗できないことになります。

「特約が無い限り、賃貸人に対する登記請求権は認められない」(大判大10.7.11)

対抗できない

ということは、所有者が変わった場合、出ていかなければならないのです。しかも、建物を収去して。

登記の存在

土地を借りたあと、建物を自分で建てることになりますが、

建物を建てた場合、表題登記は必ずします。

建物の登記があれば、賃借権があることが推認されるため、対抗要件と考えることができます

そのため、表題登記でも建物の存在のみを考えれば公示としては成立するためこれを使えばよいわけです

これを借地借家法で定めているということです。

さらに、建物が現実に滅失してしまった場合、この登記は無効になってしまい再び建てている間は空白が生じるため、

そのため、一時的な救済として「掲示」によって対抗できることが定められています。

10条2項② 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。

このような登記ではないが、登記と同じ目的で外観上公示機能をいとなむものを「明認方法」といいます。

※借地権者が第三者に対抗できるかどうかは、第三者が取引関係に入る時に対抗要件を備えていたかによる

取引関係に入る際、登記をチェック、現地見分して対抗力があればその後滅失してもその第三者との関係では対抗力は失われません。(東京高判平12.5.11)

実務としては、登記も現地の見分も欠かせないということになりそうです。