【投資詐欺の手口】排出権取引の事例を解説【初心者でも分かる判例】

排出権取引は賭博行為!違法だ!という判例が出てました。

投資関連はもう詐欺の典型的な事例ですが、とにかく新しい手口が尽きないので知っておいて損はないというところ。

個人的には、まともな投資というものを一つも聞いたことがありません。

 

CO2 排出権取引とは?

 

CO2(二酸化炭素) 排出権取引というのは、CO2を 排出する権利を売買するものです。

ところが本来、「権利の売買」を規制するはずの「金融商品取引法」と「商品先物取引法」では、CO2 排出権は、どちらも適用対象とされていないのです。

いわば、法律の隙間を縫う新手の詐欺手口なわけです。

 

事例

 

被害者のX は当時77歳の女性です。みるからに詐欺のにおいがしますね。他の人物は

Y1(CO2排出権取引業者)

Y2(Y1の代表取締役)

Y3(Y1のXの担当者)

 

Y3から「CO2排出権売買の勧誘」を受けて取引を始め

2012年10月に、同月15日から2013年5月17日までの間に

取引の証拠金として合計1550万円を支払い

配当金名目で合計192万1500円を受領しました。

 

本件取引について、

Y1が提示する取引レートを差金決済の指標とする私的な差金決済契約である。

売買差金の額は、顧客が買ったあるいは売ったとされる「CO2排出権の価格」を「ユーロ円為替レート」によって換算した額と、顧客がその後に売ったあるいは買ったとされる「CO2 排出権の価格」を同レートによって換算した額との差額によって算出される。

そうであれば、Y1から提示される「CO2排出権の価格」や「ユーロ円為替レート」の基準とされる為替レートは、Y1にもXにも予見することができず、

また、その意思によって自由に支配することができないものであるから、本件取引は、偶然の事情によって利益の得喪を争うものというべきであり、賭博行為に該当して違法であり、公序良俗にも反するものというべきである。

 

違法な賭博行為又は詐欺的取引である本件取引に顧客を勧誘する行為は不法行為を構成するものというべきである

 

長々と言ってますが、ようするに

・排出権取引は賭博または、詐欺である。

・賭博または詐欺に勧誘しているから不法行為である。

というわけですね。

 

もともとは、違法への導き方が違った

 

CO2 排出権取引については、本判決以前から違法性を認定する判決が出されていました

参考判例(東京高裁平成25年4月11日判決)では、

 

CO2排出権取引は業者と顧客の相対売買であることを重視し

本来的に事業者と顧客の利害が対立するという構造があるため

(業者が得するような価格を設定すると、必然的に顧客は損になる)

「事業者が、顧客の犠牲の下に利得を図る危険性がある取引である」と述べ、

取引レートを事業者が任意に決定する場合明らかにその危険性が大きいから、その理解を欠く取引は違法である」と判示していました。

 

 

なお、受け取った配当金は、不法原因給付であるといって、損益相殺を認めなかった

 

Yらの取引について

取引の実態は、詐欺的な犯罪行為そのもの。反倫理的行為に該当することは明らかである

正常な取引のように装って、配当金という名目で交付したから、取引を正常なものと誤信させ犯罪の発覚を防ぐための手段にほかならない

そうすると、被害者が受け取った配当金は、不法原因給付によって生じたものであるから、損害金の額から控除することは許されない

 

すなわち、まっとうな取引と思わせるために支払った配当金も返さなくていいです。

損害賠償金からも引かれないので、ある程度、損害は回復できそうです。

これについては判例(最高裁平成20年6月24日判決)の考え方がすでにでているところです。

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