【判例】踏んだり蹴ったり判決とは?不倫した場合の離婚請求

通常は、不倫された場合に、離婚を請求するかとおもいます。

踏んだり蹴ったりというのは、不倫された上に、離婚を突き付けられた事案でした。

したがって、踏んだり蹴ったりだ、と言われたものです。

不倫した人を、責任が有るとして「有責配偶者」と言います。

 

有責配偶者の離婚請求とは?

 

カンタンに言うと、不倫した方から離婚を突きつけ、追い出すという感じです。

基本的には認められません。

 

夫が勝手に情婦を持ち、妻を追い出すという離婚請求が認められるなら、

妻は全く俗にいう踏んだり蹴ったりであり

法は、かくのごとき(このような)不徳義勝手気儘きまま(ふとくぎかってきまま)を許すものではない。

最判昭27・2・19

 

〈踏んだり蹴ったり判決〉といいます…

不倫されて、離婚までさせられるのはたまったもんじゃないということです

離婚した方がマシという考えもありますが、

この時代はまだ、女性が離婚を突き付けられて一人になると、生きるのが苦しい現実があるというのが背景にあります。

 

 

上告人と婚姻中であるにかかわらず

婚姻外のDと情交関係を結び、同女を妊娠せしめたことが原因となったことは明らかであり、

いわば、上告人自ら種子をまいたものである

同上

 

ちなみに、判例の一文です。誰が上手いことを言えと…。

もともとは、以下のように

 

婚姻関係の破綻を招くことについて、

主に責任のある当事者は、

これを理由に、婚姻を継続し難い事由として、離婚を請求することはできない。

最判昭38・10・15

 

とされていましたが、判例変更がなされました

すなわち、いままで認められていなかった

「有責配偶者からの離婚請求」これを、この踏んだり蹴ったり判決から認めるようになったわけです。

それから、さらに

 

離婚請求は、信義誠実の原則に照らして、容認され得るものでなければならないが、

別居が年齢及び同居期間との対比において長期間に及び、未成熟の子が存在しない場合には、

相手が離婚により、極めて苛酷な状態に置かれる等著しく社会正義に反する特段の事情がない限り、

有責配偶者であるということだけで、離婚請求できないというわけではない

最大判昭62.9.2

 

別居が長期間に及んでいたり、

小さな子がいない場合

離婚しても相手が過酷な状況に置かれるというようなことがない場合

このような場合、離婚請求ができるわけです。

 

これ、ようは、夫婦としての関係や生活状態を重視する方向に判断の基準が変わったわけです。

 

婚姻の目的である「共同生活」を達成できず、

その「回復の見込みがなくなった場合」には、

夫婦の一方は、相手に対し離婚を請求することができると定めたものと解される。

婚姻を継続しがたい重大な事由について、責任のある者から離婚請求することも許すことができる。

 

婚姻を継続しがたい重大な事情という規定は、夫婦の共同生活を続けるという点が重要です。

責任があるから請求を一切認めないというわけではないんですね。