【品川マンション事件とは?】建築確認留保と行政指導わかりやすく判例解説

今回は、品川マンション事件についてです。判例の言い回しが独特なためすこしテクニカルな読み方が必要でわかりにくいところです。

品川マンション事件の事案とは

品川マンション事件を知っていますか?

新築するときに、建物を建てる業者は、「建築確認」を行政に申請します。

こういう建物をたてますと、図面とかを提出して違法がないかを役所がチェックします。それで問題なければ、「確認済証」という証明書が役所から送られます

これがないと、工事が始まらないので建設会社も待ちぼうけです

品川マンション事件では、建築確認を留保してしまい、その期間中の請負代金の増加額その金利を損害賠償請求しました。

これは、役所が建築確認を保留して色々なプランが狂い発生した損害金を役所の責任として請求したのでした。

品川マンション事件では建築確認の応答を留保した

本来、申請をしたら行政は返事をしなければなりません。これは法律上の義務です。

工事現場も待たせてしまい、施工会社に払う請負代金も増額します

金利は、時間のかかった分のお金です。お金は使うことができる状態に大きな価値があります。

何かしらに使えたはずで、その間の利益が害され、損害が発生してるってことになります。

いろいろと遅くなるのは、役所あるあるですが、まず建築確認処分を行う義務があります。

そして、その確認処分自体は、速やかに行う義務が発生しています。

建築主とは、確認申請をする人になりますが不動産デベロッパーやマイホームを買う場合のわたしたちですが、もし、こっちで同意がある場合は問題ありません。
ところが、そうではない場合、違法となります。

判例では

「行政指導に不協力の意思を表明している場合には、建築主が受ける不利益と公益を比較して、社会通念上正義の観念に反する事情がない限り、確認処分の留保は違法である。」

という結論でした。

建築確認の留保が違法とならない場合

違法とはならない場合は

「応答を留保することが社会通念上合理的と認められる場合には、違法に遅滞しているとは言えないというべきである。」

これは、硬直的にならないようにする、ある種の逃げみたいなもので、法律にはよくあるやつです。

それから、同意があるような場面です。

「任意に応じていると認められる場合、社会通念上合理的と認められる期間の間は、確認処分を留保し、行政指導に従うまで待つことも違法ではない。」

こうした行政との関わりにおいてポイントとなることとは

「行政指導に不協力の意思を表明したかどうか」

法律では、意思を表明することが重要で、黙っていると認めたことと同じだと考えられることが多いです。

呆れた時もちゃんと反対意思は必要になることには注意が必要です。

建築主が受ける不利益とは、家を建てる会社としても困ります。

あなたが買うマンションも、行政の対応などで、入居できずに待ちぼうけを食らうこともあり得ます。

というわけで、今回は以上です。ありがとうございました。

新しい家を買うなんてわくわくする楽しみが奪われてしまうことがあるので、建築確認をはじめ、役所の対応には要チェックです。