【図解】不動産投資とサブリース儲かる仕組みを解説

「サブリース」が何か分からない人へ

・サブリースってよく聞くけどイマイチよくわからない

・いったいどういう仕組みなんだろう

・不動産投資でサブリースって悪いイメージがあるけどどうなんだろう

・やめとけっていうけど本当かな

こんな疑問に応えます。

不動産業で収益物件を数十棟回してます

本記事の内容

□ 不動産投資におけるサブリースの仕組みとは?

□ 不動産投資をするのにサブリースはおすすめか?

□ 不動産投資では、なぜサブリースのしくみが問題視されるのか?

不動産投資におけるサブリースの仕組み

サブリースとは、「オーナーが所有している一棟の建物をサブリース業者に貸し、サブリース業者が各部屋を入居者に貸す」という仕組みです。

オーナーとサブリース業者の賃貸借は「マスターリース」、サブリース業者と入居者の賃貸借(正確には、転貸借と言います)は「サブリース」と呼びます。

サブリース業者は、賃貸借と、転貸借の賃料の差額が設けとなるので、転貸借は高額になります。

マンスリーマンションとかが2倍、3倍くらいの家賃になっているのはこれが理由です。

オーナーも賃料をだいたい90%くらいで保証することが多いです。

物件の管理費用のみがコストとなるので物件しだいでけっこう儲かります。(サブリースの方がたぶん儲かる)

不動産投資するのにサブリースはおすすめか?

ごく一部ですが、信頼できる業者もあり、もちろんどこかはお答えできませんがそちらに実際サブリースすることがあります。

私たちもやってますし仕組みとしてはおすすめできます

ただ、正直、むずかしいのではと思っています。理想のかたちは魅力的なのですが、どうしても実現できる絵が描きづらいです。

申し訳ないですが、信頼できるサブリーサーは限られており、個人オーナーには縁が無いと推測します。

サブリースのメリット

□ 家賃保証であること

□ ターゲットが限定され転貸先も高賃料が狙える

□ 入居者ニーズがあるので高賃料でも妥当と考えることができる

□ 目的が明確になるため投機的にならない

□ 特化できるのでマーケットは読みやすい

サブリースのデメリット

□ 全体的に難易度が高い

□ サブリーサーはコントロールしきれない

□ 転貸先の入居者属性が重要

□ ちゃんとした業者は簡単に引き受けてくれない(物件の立地や条件のハードルが高い)

□ サブリースを嫌がるオーナーがいるので売却がむずかしくなる

サブリースをする場合、オーナーがとくに気をつけること

サブリースをする場合、とくに気をつけるべきこととして主に2つあります。

□ 転貸先の入居者の属性

□ サブリース会社の経営方針

転貸先の入居者の属性

仮に、私がリーガルチェックをするとしたら、最も重視するというか必ず確認すべきは「転貸先の入居者」です。

基本的にチェックできません。だれを入居させるか借主の自由です。
交渉というかすり合わせになりますが、入居者の審査は厳しい基準をもって臨まなければなりません。

そして、たいていマンスリーとか、アドレスホッパーをメインターゲットとしたホテルのような住環境を謳っているはずです。
そうすると、必然的にフリーランスとか留学生とか外国人とかになってきますのでけっこう悩ましいです。

サブリース会社の経営方針

少なくとも、貸室を増やしている企業には依頼しません。理由は、単純にマンパワーが足りなくなるからです。

サブリースで重要なのは、「転貸先の賃料が高い」ということ。

そのためには、高級感・清潔感といった「物件の管理」が何よりモノを言います。

そして、物件管理は当然、人間が行うハード面です。
そうすると、貸室を拡大していこうとすると、どうしてもムリが生じ、一軒一軒の管理が杜撰になっていきます。

某SG社が出資しているところをみれば察しが付くと思いますが、無能な経営者は事業拡大を求めがちです。それだと逆行します。高級ホテルが乱立しないのと全く同じです。

あとは、マンスリーやホテル暮らしを謳い集客するということは、シーズンに左右されながら自転車操業のように回転率を上げざるを得ないのです。
すなわち、サブリースの魅力である賃料保障型というのはとてつもなく難易度が高いです。

不動産投資では、なぜサブリースが問題視されるのか?

不動産投資では、サブリースというと、あまり良い顔をされません。
いったいそれはどうしてでしょうか。

サブリースの問題点

実際には、問題を起こした会社が、サブリースをしていた、そして有名になった結果、投資が批判の対象になってしまったというのが正しいです。

2つの事件がありましたが、正直、不動産投資はあまり問題ではありません。

サブリースでまず問題になったのは、「法律で、賃借人の地位が強く保護されるので無知なオーナーが合法的に損をした」というものです。

バブル崩壊で露呈した借地借家法の穴

不動産事業者がオーナーを勧誘するため、「賃料が相場に合わせて自動増減される特約があること」、「空室にかかわらず賃料が保証されること」を文句に売り込みます。

ところが、その後バブル経済の崩壊で地価の下落とともに賃料水準が下落すると、サブリース業者は、賃料減額請求をします。

そのとき、オーナーとしては、賃借人の方が法律に保護されるので応じるしかありません。

今までオーナー優位であったが、法律が借主を保護するべく改正すると今度は逆手に取られてしまったというわけです。

ただ、これは法律で決まっているので知らない方が悪く、詐欺ではないです。

このような「賃料の減額に応じるしかない」というのが判例でも認められてました。

賃料自動増額特約があるにもかかわらず、賃借人から賃貸人への借地借家法32条の減額請求を認められる。』(最判平15.10.21)

※もともと、「借地借家法32条は強行法規とされている。契約の条件にかかわらず、賃料額の増減を請求することができる」(最判昭31.5.15、最判昭56.4.20)とされていました。

学習しない業界人

そして、ご存知の「かぼちゃの馬車」事件です。
こちらは賃料収入が無いにもかかわらず事業を展開させ潰れました。あと書類の偽造をしました。

入居者が居ないのに、架空の実績をつくったり、赤字なのにあたらしい建物を建てていったそうですが、これは投資でも事業でもありません。

あと、業者に任せっきりにしたので、融資を引くために嘘の書類を作ったり…

不動産投資は賃貸業として、不動産と真摯に向き合わなければなりません。
不動産と向き合えば、失敗する方がむずかしいです。

なぜ、最近サブリースが流行ったか?

バブル期にこのような失態があったにもかかわらず、ここ数年またサブリースが注目されているかというと、理由は、シンプルで「ライフスタイルの変化」です。

できるだけモノを持たないミニマリストの価値観が浸透し、家具の所有形態が変化してます。
1~2年以内に引っ越しを繰り返す人が増え、家具の保有が大きなコストです。引越しもたいへん。

家具付きの物件は高い賃料でも入りたがる人が多いので、空きが出ても、すぐに次の借り手が決まりやすいです。
ただし、若い人や独自の価値観が強い人が多いので、部屋のインテリアがある程度オシャレであるとかの要素もあります。

一方、大家の立場としては、初期費用をかけますが、物件を家具付きにし、短期滞在予定の入居者を効率的に回転させることで、高い投資利回りとなります。

なかなか交渉がまとまりませんが、実際に、サブリースの仕組みはわりとメリットがあるので、私もサブリース業者に逆営業かけたりします。

というわけで、以上です。ありがとうございました。サブリースは、信頼できるサブリース業者をみつけるのが課題かなと思います。