会社のことをどれだけ知っているでしょうか?
私もそうなのですが会社のことを知らなければ、どの株を選べば良いのか迷うものです。
今回は、勝てる銘柄の選び方、優良企業の見分け方に役立てるために、株式の価値をガバナンスの観点から、法学的な視点から考察してみます。
数字だけでなく、会社の本質を知ることで市場を出し抜くことができればと思います。
指名委員会等設置会社という機関設計
会社の機関設計というものがあります。代表的なものは取締役会で、会社の意思決定や業務執行からこれを監督したりするものです。
どのような機関を設置している会社なのかによって、会社のガバナンスが機能しているか見分けることができ、不祥事を起こしにくい優良な企業かどうか判断していくことができるのです。
そのうち、もっとも、ガバナンス機能が強いと言うことができるものが「指名委員会設置会社」です。
監査委員会、指名委員会、報酬委員会の3つの機関を置く会社のことを言います。
もともと、米国等が採用していたもので、会社の業務執行と監査機能を明確に分離することで、
法令上の適切な業務執行が果たされるべくチェック機能を強化するために法制化されました。
※日本では、平成17年に導入され、平成26年に今の名称へと変更されました。
通常、法令や定款上、会社の業務執行が適切かどうかをチェックする役割を担っているのが、監査役という立場の人です
会社の規模の大きさなどに応じて監査役の人数や社外の人間であるか、などの条件が変わります。
指名委員会等設置会社のポイント
指名委員会等設置会社のポイントは、以下のような点です
・権力の分立
・各委員の選定のしかたや構成
・任期
会社は、所有と経営の分離と言い、とくに日本の会社はしばしば経営者が株価を意識しない点が特徴としてあります。
売上を気にして役員報酬を抜くのが典型ですね。
節税とよく言われますが、単純に考えれば利益を減らすので配当も減ります。経営者と株主の利益は相反しがちです。
このあたりは一昔前のアメリカでもみられていてガバナンス強化が進み日本にも輸入されました。
権力の分立が意図された設計
まずそれぞれの役割をみると
・報酬委員会では、執行役の報酬内容の決定
・監査委員会では、執行役の監査、報告
・執行役が、以上これらに監督され、業務執行を行います。
この執行役というのは、ふつうの会社の取締役のようなポジションです。
それぞれが明確に役割分担されており、バランスがとれているため、透明性が確保されます
また、役割が明確のため、ほかの機関設計では取締役の仕事だったことも分散され、業務執行に専念できるという側面もあります。
各委員の選定と構成
各委員会は委員3人以上で構成され、取締役の中から取締役会の決議によって選定されます。
この取締役は、株主総会から選ばれるため信用が担保されています。
さらに、各委員会の委員のうち、過半数は社外取締役でなくてはなりません
任期
取締役は株主総会によって選ばれるのですが、取締役の任期は1年これより長くすることはできません。
執行役は取締役会で選ばれますが、執行役についてはいつでも解任できます。
任期が短くなることは大丈夫なので、短縮することはできます
最大のデメリットは役職設置の負担
各委員を設置するためには会社にとって負担が大きいということです。
しかし、我々のような投資家にとっては、むしろ大きなメリットがあります
指名委員会等設置会社を設置するには、負担が大きいのです
つまり、制度自体もさることながら、それだけの負担をかけてでも透明性を確保しようとしている会社だということです
実際これを設置している会社は数十社に過ぎません
このように、ちょっと違う視点から企業を見ていくと、
新しい発見があるのではないでしょうか。
というわけで、以上になります。お読みいただきありがとうございました。