法の支配と法治主義の違いについて
どのような説明がわかりやすいかなと考えて
法学部が好きそうなものから例えることにしました。
法の支配というのは「乃木坂46」さんです
法治主義が、「欅坂46」さん
法の支配は、国家権力を法で縛るということ
法治主義は、国民を縛るには法律が定められていなければならないということです
こんな感じです
「法治主義」と「法治国家」は、言い方が違うだけで指すものは同じです
「欅坂」と呼ぶか、「かんじけやき」と呼ぶかの違いです
さて、
法の支配は、
法治主義の場合、法律さえあればよいことになります。そのため、ドイツではナチ党が現れるなど、うまく機能しませんでした。
そうした過去の反省を経て、変化が起きました
法治主義といえども、法の内容も正当なものでなければならないと修正されます。
こうして、「実質的法治主義」となります。
「櫻坂46」の誕生です。
古い法治主義のことを「形式的法治国家」と呼びます
「元欅坂46」といったところです
このような反省を踏まえて新しくなった法治主義のことを実質的法治国家と呼びますが
「法治主義」という名前はもはや過去の概念となり存在しません
そして、新しく修正された「実質的法治国家」は、
法の支配とほぼ同じ意味を持つとようになっています
いずれにしろ、国民の権利を守ることを目的とする概念なので、
両者が接近するのは、ほぼ当たり前といえば当たり前です。
実質的法治国家のことを指している場合に、呼びやすさのために「法治主義」と端的にいう人もたまにいます。
これは概念の「ネーミングの問題」となります
法治主義と言うと間違いになるのですが、本質ではないこともたしかです
揚げ足取りに近いです
一方、概念ですし、法学としては概念を正確に定義し、記述しなければならないことも否めません
ここまでで、「法治主義」という言葉を端的に使ってしまうと、解釈が分かれてしまうことが分かりました
そのため、説明する際は、「法治主義」という言い方は避けるのが、読み手を意識した記述であることにはなりそうです
読み手にリテラシーがあれば、ネーミングだけでなく、広く文脈をとらえ、何の話をしているのかをつかむことができます。
しかし、必ずしもそういう人ばかりではありません
とくに、ネット記事ではタイトルだけしか読まない人も多くいるはずですので
それは書き手が自身のために、誤解を減らすべく気をつけることなのかもしれません。
なお、ドイツと日本では統治機構の仕組みもプロセスもまったく違います
じつはそう簡単な話ではないのです
法学としては、あまり問題ないかもしれません
しかし、政治学としては、けっこう違います。
由来が違うのですから当然といえば当然です。
似たようなことはけっこうあると思います。
たとえば、民族と人種です
はるか遠い国からすれば、○○民族とひとくくりにされていても
××人、△△人、と分かれていたりします。
そして、いまなお紛争が絶えない地域ではこのような人種の違いから紛争になっていたりするので配慮するに越したことはないかと思われます。
ということで今回は以上です。ありがとうございました。