「抵当権の処分」について、4種類あるのですが、
今回は、「抵当権の順位の譲渡」について、宅建過去問の事例を使いながら解説します。
※一文が長くなります。スマートフォンの方は横画面にしていただくと読みやすいかもしれません。
抵当権順位の譲渡とは?
「抵当権順位の譲渡」とは、「優先的に弁済してもらえる権利が増える」ということです。
抵当権に順位がついているということは、抵当権者どうしの話です。
譲渡するのは「先順位抵当権者」、譲渡の相手は、「後順位抵当権者」ということになります。
優先して弁済してもらえる権利とは、「配当額」と言う形で表れています。
譲渡してもらった人は、「二人の配当額の分を優先して弁済してもらうことができる」ことになります。
抵当権順位の譲渡の事例とは?
抵当権順位の譲渡の事例をどう処理していくのかを確認します。
令和元年の宅建試験で問われていたようでしたのでこれを参考にします。
宅建試験では、ここ3年で2問出ています。
実務的にも後順位抵当権がついている事の方が多いので試験委員の問題意識があるのかもしれません。
問題を整理すると、
1位.抵当権者B 2000万
2位.抵当権者C 2400万
3位.抵当権者D 3000万
競売代金 6000万
一般債権者はいません。
これは、抵当権譲渡の順位の問題だけです
答えをいってしまうと、「1」です。
BからDへ順位を譲渡すると…
「譲渡」とは、優先弁債権を譲受人に取得させることです。
BからDに一番の順位を譲渡しますが、一番抵当権で得られるのは2000万円分なわけです。
次に、Cが2400万で満足する。
そして、Dが3000万なのですが、すでに2000万の配当を受けており、債権額は3000万ですので、1000万で満足します。
そうすると、優先弁債権をもつ抵当権者全員の配当が終わりやっと一般債権者にまわってきます。
最後にBが残りの600万の配当を受ける。
というわけで、残っているのが、600万ですので、Bが600万配当です。
したがって、こたえは、1番になります。
今回は以上になります。お読みいただきありがとうございました。