タイトルのとおりなんですが、
東京地方裁判所(平成30年4月24日判決)で、「占いサイトの占い師らに詐欺が認められた」って事例があったんでメモ
占い好きですか?
私はけっこう好きで、「夢占い」とかとくに好きで意識したり調べたりしちゃうんですが、あくまでも遊びの範囲。
ところが、中には占いを商売にしている人もいるんで、「心が弱ってるとき」とか、「人生がうまくいかないな」なんて人にはこういうのにひっかかってしまう事例がわりとあります。
恥ずかしいことではありません。表に出てこない「暗数」を考えると一番多いくらいの犯罪です。
けっこう手口も巧妙でして、単なる占いだけでなく、派生的に
・復縁するには?とか
・結婚できるか?とか
・人間関係に悩んでるか?とか
「悩みごとに対して鑑定師が鑑定する相談」みたいなものがたくさんあります。
本事例について
今回の事例は
オンラインの占いで、メールで相談すると、占い師を名乗る人からアドバイスとか返事がかえってくるというもの
もちろん、冷静に読んでみると「明確なアドバイスはなく」て、もやっとした感じです。
それでも、当事者にとっては、どうしても信じてしまうもの。
というか、「信じたい」んですよね、心のよりどころがほしいんでその気持ちはよくわかりますねー(笑)
で、この「返事をみたり、再度返信するためにポイントが必要」で、その「ポイントを5000円とかで購入する」という仕組みになってるわけです。
いやー、占い自体は遊びとしてわるくないんですが、傷ついた人間の不安やかなしみを商売に利用するのは許せません
ちなみに、占いってのは、バーナム効果あるいはフォアラー効果といって
「人間の心理を利用して、当たった(ように思わせる)詐欺の技術」のひとつなんですよ
バーナム効果ってのは
「だれにでも当てはまりそうなこと、曖昧で一般的な性格に関する記述であるのに、私たちは、さも自分だけに当てはまるものとして受け止めてしまうこと」を言います
仕事のことで悩んでますねとか、人間関係で悩んでますねとかパターンになってるものです。
実際、この判例でも詐欺に当たると認定されています。
もちろん、人と話すことで本人が本当に救われたと思うんだったらいいのかもしれませんが
真の意味で救われることはありません。
オンライン上の決済では契約の内容が怪しい
ネットの負の側面として、いわば「契約なしのような感じで契約できる」ことなんですよ
どういうことかというと、今回みたいにメールでのやりとりにお金が発生してる場面
「オンラインで課金することは技術的にカンタンにできる」のですけど、契約書はないし、「明確な契約を結んではない」わけですよね
この占い師は、「メールの文面から波動を読み取って鑑定する」らしんですが
そもそも、「本当に占い師なのか?」(債務の履行の前提となる重要な事実)、「本当に鑑定してるのか?」(債務の履行)は一切みえなくて証拠もないわけです。
そうすると、契約上の債務を履行していないかもしれないんですが、確かめようもないんで、わからない、というわけです。
それから、鑑定師の素性が明らかとなっていないので、契約当事者がいないことと同じです
というか、役務提供なのか売買なのか、何契約なんだって話にもなりえます。
契約そのものが存在しているのかすら怪しい状態となっています
どんなメールの内容なのか?
じゃあ一体どんなメールのやりとりしてたの?って感じですが、鑑定師が送付しているメールは、
「被害者の運勢に関する状況を指摘したうえで、
特定の行為を行えばその運勢が向上することを指摘し、その行為を求めるもの、
そして、その結果を報告するもの、時候の挨拶等である。」
とのことなんで、「笑顔でいればあなたの運勢がこれから良くなっていくのが見えるッ!」みたいな感じですかね
あとは、「重要なアドバイスのために、今のあなたの状況を詳しく教えてください」とかで、返信を求めて課金を促す感じですね
さらに、判例いわく
「もし、何らかの占いによるのであれば、
通常、同じ内容となることは考えにくいが、被害者の鑑定の結果等について、
同一ないし類似の内容のメールが、鑑定師の名義で送られている」
どういうことかというと、端的に言えば「サクラ」の存在です。
サクラを使って(担当がいたかもしれませんがおそらくいろんな人が)メールを返していたわけです
それで、有料ポイントを使わせるということで、何度もメールを返信させるようにメールの文章も誘導してきます
これは出会い系サイトと同じような仕組みです。
ちなみに、サクラはふつうに求人サイトにあります。求人募集は違法ではないので、占い師もふつうに募集してます。でも実態はこれですが。
そういうところがあるから信用してしまう人も多いんですかねー。
商売は大なり小なり詐欺の側面があるんで、みなさんの判断にかかっているかと思います。