【違法ビジネスと禁止の効果】ブラックマーケット経済学と法

 

違法ビジネスと取引禁止の経済学について考えていきます。

 

麻薬や賭博といった違法とされているものを扱うビジネスは規制されています。

こういった「悪」を規制することは当然だと思う人は多いと思いますが、実は、これとんでもない誤解をはらんでいますので、法と経済の視点から考えてみたいとおもいます。

たとえば、たばこ

有害な製品であるから禁止にしてつぶしてしまうえという正義があります。もちろんそこまで極端ではなくとも、近いものはありますよね。

 

そのものは禁止されていませんがオリンピックに関連して、飲食店でも似たような動きがあります。

 

有害な製品を一掃してしまえば市場は清潔になるでしょうか?

禁煙法が成立した場合のように、かりに、市場から排除すると犯罪組織のビジネスチャンスに生まれ変わります

 

 

需要が消えるわけではないので、タバコの密造、密輸、密売が始まります。すると、たちまちカネのある者は法外な値段でも購入します

 

カネのない者はカネを調達するか、カネ以外の条件で手に入れようとしますし、さらにはひそかに栽培するかもしれません

違法となると、摘発されますし捜査も必要ですのでこれまで違法でなかったときと比べれば、警察の仕事は増えることになります。

もちろん、タバコが禁止され辞める人もいるでしょうが、なんとしてでも手に入れようとする人もいると考える方が妥当でしょう。

このことは過去に実証されています。

1920年代、アルコールの排除は失敗しました。

禁酒法の制定では、闇の市場を生み出し、犯罪組織のビジネスチャンスを生み出しました。

 

禁止し、市場から追放されることによって、皮肉にもその経済的な価値が高まります

 

「タバコは有害であるから禁止にする」

 

禁止というのはたしかに法律の基本的な効果なのですが、「社会」という複雑なしくみを規律する上では単純な考えでありそう通用しないと言えるでしょう。

 

禁止せずに規制をかけるには、どうしたらいいでしょう

 

規制方法というのは非常に難しいところです。結局は、効果があるのかどうかがだけが評価になってしまいます。

 

たとえば、過去に、賭博の例があります。

 

禁止することなく賭博を辞めさせることができたのですが、二つの法律を出しました。どのような法かというと、

 

遊びとしての賭博は自由に行っていい

・賭博に負けて困っている者は救済する

というもの

願い出た者から、賭博の相手を聞き、その者から勝ち金の返却を命じました。

 

賭博を商売とすることはご法度であり、遊びであるのに他人の生活を潰すのはありえないということらしいです。

 

そして、勝った者はたいていの場合、勝ち金を使ってしまっているのでかんたんには返却できず、かえって損をすることになりましたので、賭博はなくなっていったそうです。

 

もちろん、これではディーラーを食い止めることができないので根本的な解決ではなく、現代にも直接適用はできませんが、

 

ここで、おもしろいのは、逆に厳罰によってダークビジネスを止めようとした規制がことごとく失敗に終わっている事です

 

徳川家は、賭博者を死刑とし、実際に晒し首にして民衆を威嚇したり

薩摩藩では禁煙令を発令し、死刑としましたが、

 

いずれにしても、効果がなかったようです。 (なお、のちに、薩摩たばこは名産品になりましたとさ…。)

 

 

有害である、だから禁止する。

 

言いたいことはわかるのですが、本当に有害なのかという点を調査するまでもなく、

 

「ただちに禁止だ」、「即刻、廃止せよ」という主張が、あまりにも短絡的な暴論なので、却下とならざるを得ないのです。